会社の取り組みと歴史

会社の取り組みと歴史

菜種油と共に60余年

島根県出雲地方では、1800年代から昭和30年頃まで菜種が栽培され、菜種を原料とする菜種油の製造が盛んに行われてきました。 はじめは行灯の燃料用として使われていた菜種油でしたが、やがて搾油機の開発により生産量が増えてから食用として普及していきました。

その後、行灯は電気やガス灯にとって代わられ、食用は輸入菜種油の増大等によって、国内での菜種栽培が激減していきました。

出雲地方でも菜種の生産は減少し続け、それに伴い菜種油を搾っていた油屋はどんどん廃業していきました。そんな中、当社は60余年の間、油揚げ用として、また農家からの委託加工用として国産原料100%の菜種油を製造し続けており、縁結びの神様で有名な出雲大社の灯明用に献上し続けて今に至っています。

2000年代になると、国産菜種の生産量が1,000トン程度にまで落ち込み、菜種原料の99%が輸入菜種という状況の中、国産菜種の入手がいよいよ困難になりました。

そんな折、菜種油に含まれるエルシン酸を大量に摂取すると人体に好ましくないといわれたことから、 当社ではこだわった消費者が求める100%国産の安全な菜種油を製造するために、 菜種品種「ななしきぶ」「キラリボシ」の育成者権に係る通常利用権を国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構から受託して、 隔離圃場で原種の生産を行い、原種増殖圃場で増やした後、種子を契約栽培農家に提供して、出来た菜種を全量引き取ることで原料を確保することにしました。

こうして入手した純系の国産菜種を松の薪を焚いて平釜で焙煎した後、薬品を一切使わないで昔ながらの圧搾製法で搾油し、水のみで精製しています。

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